Sees Co., Ltd.

自律分散AIセル&ハッシュチェーンはフィジカルAI時代のコア技術
株式会社シーズ

自律分散AIセルストーリー

自律分散AIセル誕生秘話~
フィジカルAI時代における「自律分散AIセル」構想

フィジカルAI全盛期を迎えた現在、ヒューマンエラーや情報漏洩を排除する目的からAIがフィジカルAIを直接操作し教育する仕組みが強く求められています。
しかし膨大な教育データやシミュレーション結果を与えた完成されたAIを搭載する従来の方式では現場の物理ノイズや個体差に対応できず設置ごとの個別チューニングが最大のボトルネックとなっています。

当社が創出した「自律分散AIセル」は、この構造的課題を根本から刷新する技術です。
「自律分散AIセル」は生まれたばかりの子供が視覚や触覚などの五感を通して自ら学んでいくというプロセスそのものをロジック化させたものであり、まさに世にいう「子供のAI」概念をロジック化させました。
当社は、巨大なコンピュータで集約的なAIを構築するのではなく、この小さな「セルコンピュータ(子供のAI)」がそれぞれ自律的に学び行動する時代の到来を予測しています。

そして世界中に配置された複数のセルコンピュータがそれぞれの学習情報を共有し補完し合う、これが実現すると一つの巨大なコンピュータで構築されたAIをはるかに凌ぐ世界中を鳥の目と虫の目で見渡せ更には細部のフィジカル部位も備えたスーパーAIが誕生します。

それぞれのセルコンピュータは脳細胞や神経細胞一つに例えることができます、数が増えれば増えるほど知能と処理能力が上がっていくのです。
このSF映画のような世界を志向した結果が「自律分散AIセル」というセルコンピューティング特許技術なのです、そして近未来には必須な技術になると確信しています。

フィジカルAI時代における
仮想空間シミュレーションの限界と連合学習の課題

現在ロボティクスや無人化工場をはじめとするフィジカルAIの領域では、NVIDIA Isaac Sim等に代表される仮想空間シミュレーションを用いてAIを高速学習させ、現実へ移植する手法が主流となりつつあります。
しかし仮想空間で何億回シミュレーションを重ねても現実世界との間には絶対的な物理ギャップが存在し、1,000時間稼働した後の摩耗や現場固有のノイズといった事前予測不可能な事象までを完璧に掌握できません。

またAI業界では複数端末の学習成果を持ち寄る連合学習も研究されています。
しかし従来の一般的な連合学習はデータを中央で平均化するため端末ごとの物理的な個体差まで消し去ってしまう課題があります。
「自律分散AIセル」は固有情報の差分と共有情報を分離管理することで個性を保持したまま全体進化を成し遂げることができます。

さらに全てのセンサデータをクラウドに送り大規模モデルで判断させるこれまでの構造ではセンサ数が増えるほど通信遅延や処理過負荷によるリスクが伴います。
フィジカルAI時代に真に求められるのは現場端末(エッジ)側でリアルタイムにノイズや個体差を自律吸収する技術です。
当社はこの課題に対し現場端末ごとの個性を維持したまま相互に高め合う「集団教育」とローカル環境での超低遅延な自律制御を両立させる特許技術を創出しました。

「自律分散AIセル」の「子供のAI」概念ロジック

「自律分散AIセル」には現場で完全自律化を実現するための7つのメインロジックが存在しています。

図1. 7つのメインロジック
図1. 7つのメインロジック

(1)自己ポジション認識ロジック(自分がどこで何をするべきかを自覚する)

センサからのデータを分析し自身が何に設置されたか、また上位サーバー経由で他の「自律分散AIセル」との情報共有によって自身の置かれた正確な位置や制御対象となる装置を自律的に把握します。
この個性情報は上位サーバーへ通知されるだけでなく自身もリアルタイムな制御に活用します。

(2)個性確立ロジック(個体のクセを自律認識する)

製造上のわずかなズレや経年劣化等による個体差をセンサからリアルタイム計測し、「この機械にとってどこまでが安全で、どこからが異常か」という限界値を自律的に掌握します、つまりアイデンティティの確立です。

(3)自己対処ロジック(危険時メインAIからの指示を待たずにその場で動く)

メインAIからの指示を待っていては間に合わないミリ秒単位の緊急事態において自身の判断で即座に行動します。
危険を察知した瞬間に現場のチップ単体で緊急停止などの安全制御を直接実行します。

(4)言語による意識・意思伝達ロジック(状態を言葉で伝える)

現場の物理的な状態やニュアンスを人間や大規模言語モデル(LLM)が直感的に理解できる「言葉」に変換して出力します。
人間や上位システム(LLM等)が本来持っている「文脈を捉える思考プロセス」に直接働きかけることで中間解析プログラムを介さずに現場の生の感覚を上位LLMへそのまま共有し、高度で柔軟な自動判断を行わせることを可能にします、また生成AIと連動させることも可能としています。

(5)他者比較学習ロジック(周囲と比べて自分の位置づけを知る)

各「自律分散AIセル」から集約された動作データや限界値を上位のメインAIが一括して分析します。
他の「自律分散AIセル」との相対的な偏りや差分を全体視点で客観的に把握することで現場単体では気づけない微細な異常の予兆や個体差のズレを自律的に察知・特定します。

(6)倫理ロジック(上位からの全体視点で言語出力や判断の偏りを補正する)

上位サーバーやエッジサーバーがトータルな予測や判断を行い各「自律分散AIセル」に対して出力する言語情報やパラメータの補正等の教育を実施します。
現場単体の局所最適化によって生じてしまう判断の偏りや過剰補正をシステム全体として調和を保つよう上位からの指導によって全体最適へ向けて補正する仕組みです。

(7)再教育ロジック(最新状態へ自動更新する)

定期的なポーリングによる設置場所の移動監視や3Dマップの自動更新に加えて個性比較分析によって得られた全体の知識や最適化データをバックグラウンドで取り込み続けます。
従来の連合学習による全体一括更新のように個体差を消し去るのではなくその端末固有の個性を維持したまま、常に現場環境に合わせた最新の動作モデルへと自律的に再教育し続けます。

標準モデルと最適化モデルによる成長プロセス

「自律分散AIセル」単体では巨大な計算や学習処理を行うことはできません、知識基盤から共有される事前シミュレーションや過去の学習で生成されたベースモデル(標準モデル)を受け取り、局所調整ロジックによって最適化モデルへと補正する二層構造を採用することで、現場負荷を最小限に抑えつつ即座の現場適応を実現します。

(1)センサデータと3Dマップによる役割認識

本体に接続された各種センサから自律取得した現在位置と上位サーバーからダウンロードした3Dマップ情報を照合します。
そして接続センサから送られてくるデータを掛け合わせることで自分がどの場所のどの装置のどのセンサに配置されたかを自律的に特定し適用すべき標準モデルを決定します。

(2)標準モデルの共有と先代知見の引き継ぎ

上位サーバーにはシミュレーションで生成されたモデルや他の現場で蓄積された動作モデルが保持されています。
設置時には該当する初期モデルを取得し、同一ポジションに先代の「自律分散AIセル」が存在した場合は先代が現場で学習した最適化モデルをそのまま継承して取得します。
これにより過去の運用知見を途切れさせることなく稼働を開始できます。

(3)最適化モデル(ハードウェア個体差の局所調整)

受け取った標準モデルをベースにモーターごとの最適な回転数やパーツの摩耗公差といったハードウェア固有の物理的な個体差に対し、稼働させながらローカルでリアルタイム補正しリソースを圧迫することなく最適化モデルへと即座に適合させます。

(4)メインAIによる再教育とモデルの更新配信

現場から収集された動作データや各セルが最適化したモデルをもとに行われる本格的な再教育処理は十分な計算能力を持つ上位のメインAI側が一括してバックグラウンドで実行します。
メインAI側で再教育・更新された最新教育データをエッジ側が受け取ることで常に各種教育データは安全にアップデートされ続けます。

(5)個別設定データのバックアップと即時復元

故障時も現地での再調整は不要です、現場の個体差に合わせて調整された補正パラメータは数値データとして常時記録されているため、装置やセンサの交換時はこの数値データを書き戻しハードウェア個体差の微小なズレを短時間で再補正するだけで即座に復旧します。

「集団教育」がもたらす革命

現場で最適化モデルを構築した個々の「自律分散AIセル」がネットワークで繋がることでシステム全体の適応力を最大限化する「集団教育」メカニズムが機能します。
これは1つの「自律分散AIセル」が獲得した危険情報や障害回避アプローチなどを全ての「自律分散AIセル」で共有できるところを指しています。
全データを平均化して一律のモデルを配信する一般的な連合学習とは異なり、「自律分散AIセル」による集団教育は各個体が持つ物理的な個性を保持したまま他者から共有された必要な情報やパラメータのみを選択的に取り込んで補正適用します。
これにより現場環境への個別適応と1台の経験が全体へ即座に伝播するシステム全体の即応性が両立します。

この高度な集団教育を支えているのが密接に連動する独自の「子供のAI」ロジックと伝送データセキュリティ技術です。

まず現場の物理現象やリスク情報は意思伝達ロジックにより、「右関節が過熱しています」といった意味のあるテキストへ即座に変換されます。
これにより高度な専門プログラムを介さずとも人間や大規模言語モデル(LLM)が現場の状況を正しく理解できます。

次に「自己ポジション認識」と「自己対処ロジック」「倫理ロジック」が連動し、自機と他機の状況や位置関係を包括的に掌握します。
単一機による勝手な回避行動がライン全体の混乱を招かないよう全体最適を考慮した協調統制を現場レベルで実施します。
仮に通信が断絶した緊急下であっても、「自律分散AIセル」同士の連携で安全制御を完結させます。

「自律分散AIセル」に保存され共有される情報やノウハウは、記録データがたとえ取られても本人以外は見ることができない「スクランブルメモリ」をエッジ側の記録技術として実装し、また伝送データのセグメント単位で正当性を保証する「ハッシュチェーン」を通信技術として採用したデータセキュリティ技術により一気通貫で保護されます。
第三者による改ざんや乗っ取りまたはデータポイズニング(異常値の混入)によるシステム汚染を通信層およびローカルデータ保存領域の双方で確実に遮断します。
改ざん不能な高い信頼性のもとで上位大規模言語モデル(LLM)や他のシステムと連携されるため安全で持続的な集団教育の循環が成立します。

※「スクランブルメモリ」「ハッシュチェーン」は株式会社シーズの特許技術です。

フィジカルAI領域における比較

「自律分散AIセル」は従来の制御システムや既存のAI学習方式が抱えていた構造的な課題を根本から解決します。

表1. 主要技術との機能・優位性比較
表1. 主要技術との機能・優位性比較

「自律分散AIセル」の具体的な活用事例

「自律分散AIセル」は従来の制御方式では困難であった「現場適応」「安全共有」「改ざん防止」などの要素を高度に両立しさまざまな現場におけるユースケースを創出します。

(1)エッジサーバーを介した集団教育と最適化(工場の個体差適応)

図2. 工場の個体差適応
図2. 工場の個体差適応

工場に設置された各装置はセンサを通じて現場環境や動作を自律的に学び「個性の確立」を行います。
同じ装置であっても個体差が生じるため、それぞれの動作データを個別に取得して現場への最適化を図ります。

個々の装置から集めたセンサデータは上位のエッジサーバーで比較分析され全装置が均一な出力を出せるよう電圧や制御パラメータを自動調整する「個性の修正」を実行します。
各機の個性を保持したまま1台1台の経験全体を「再教育」することで品質のバラつきを防ぎ高精度に稼働し続ける持続可能な産業インフラを構築します。

(2)ドローンの自動制御(マスター/スレーブによる集団飛行管制)

図3. マスター/スレーブによる集団飛行管制
図3. マスター/スレーブによる集団飛行管制

マスター機による集団飛行管制のもと複数のスレーブ機が相互に協調しながら自律制御飛行を行います。
1機のドローンが現場で獲得した危険情報や最適ルート等の最適化パラメータは「ハッシュチェーン」と「スクランブルメモリ」により安全性が担保された通信・保存経路を通じて即座に全体へ共有(集団教育)されます。

仮に通信の遅延や断絶が発生した場合であっても各スレーブ機はセンサによる自己ポジション認識によって単体で安全な回避行動を自律的に完結させます。
さらに運用機体が増えるほどドローン群全体が自動で賢くなる圧倒的なネットワーク効果を発揮しデータポイズニングを確実に排除した状態で高度な集団行動を遂行します。

※「スクランブルメモリ」「ハッシュチェーン」は株式会社シーズの特許技術です。

(3)ブロックチェーンと連携した予知保全システム

図4. 予知保全システム
図4. 予知保全システム

「自律分散AIセル」を製造ラインや工場全体の予知保全システムに組み込むことで例えばロボットアームごとの作業内容や摩耗度の違いに応じた個別最適な異常検知モデルを構築し、高精度な故障予知を実現します。

ここで重要なのは現場で生成された学習データを「スクランブルメモリ」とブロックチェーンの二層で保護し安全に共有(再教育)する点であり、改ざんやポイズニング攻撃または乗っ取りリスクが確実に排除された状態で最新のモデルのみを安全に同期できます。

※「スクランブルメモリ」は株式会社シーズの特許技術です。

「自律分散AIセル」が齎す未来

「自律分散AIセル」の本質は、現場で自律的に育つ「子供のAI」概念をロジック化させた核心技術であり、個性を保ちながら相互に知能を高め合う「集団教育」、そしてそれらがまるで脳細胞や神経細胞のように振る舞う自律分散処理構造にあります。
つまり、個数が増えれば増えるほど知能と処理速度が飛躍的に向上するということであり、これまでのシステムとは次元が異なる思考の基に創出された技術なのです。

「自律分散AIセル」は設置された瞬間に、個として学び始め、分散ネットワークの中で安全に情報と知見を共有し合います。
モビリティや監視カメラなどに応用され世界中に「自律分散AIセル」が配置されたらどうなるでしょう、世界中の状況が手に取るように把握することが可能となります、そして相互に対人安全性を優先するように振る舞えば事故防止などで多くの人命を守ることができます。

「自律分散AIセル」は巨大な単一AIでは到達できない世界中をリアルタイムに俯瞰し細部までを詳細に自律制御するセルコンピューティングの世界が現実のものとなります。
株式会社シーズは、知財を確保し今あるIT文化の概念を根本から塗り替え、ヒューマンエラーや情報漏洩のない安全で高度なフィジカルAI社会を切り拓いていきます。


2026年8月作成

株式会社シーズ
代表取締役会長 伊東久雄

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